丸太小屋の四季 その02

丸太小屋の四季 その2

デッキの下


 愉悠舎の地下室と呼んでいる部屋からの近景である。

 ウッドデッキに続く回廊を囲むように雑木林がある。雑木林の間をぬってデッキと回廊を造った、と言ったほうが正しい。
 デッキのあたりから傾斜が30度ぐらいの斜面が落差30mほど続き、その落ちた棚のようなところを団地の道路が走っている。
 そこから、さらに急激な斜面が海岸に向かって落ちている。落ちた先には海が待っている。
 海と岩肌のわずかな隙間を、遠慮がちに国道28号線が波打ち際に添っている。

 ルート28は途中、道なき海を二つ挟んで、神戸市から徳島市の間を埋めている。

 ルート28の起点は神戸市のJR神戸駅を高架沿いに三宮方面へ少し行ったところ、ガード下を横切っている道路の高架下あたりから始まる。
 ここから湊川神社の前を通り、新開地までの通りを楠正成の幼名にちなんで「多聞通り」と言う。

 絶壁の下の道路が私の慣れ親しんだ「多聞通り」に始まるのかと思うと気持ちが落ち着く。

投稿者 愉悠舎 日時 2006年9月25日 (月) 丸太小屋の四季 | 個別ページ

苔に魅せられた人

 一昨日の土曜日、隣のSさん宅に造園会社で働くOさんが庭の手入れに来ていた。

 庭で作業をしていたワイフはOさんに「苔」の手ほどきを受けた。以前、Oさんは熱っぽく「苔」の魅力を私に話してくれたことがあった。
ワイフに木の箱を持ってこさせ、その辺に生えている苔や草花を採ってきて盆栽の実習をはじめた。

 その成果を庭の片隅に据えた。日照時間が2時間ほどで日陰の湿っぽいところが苔の生息に最適だというので、この場所を選んだ。

 私がOさんの言葉にいたく感心したことがある。それは苔を覆う器は塗装やコーティングの施していない無垢の木の箱がいい、生の木は呼吸をしている。と・・・。

 無垢材の呼吸論はログハウスを建てるときよく聞いた。愉悠舎建設後7年間を経過したが、呼吸をしている無垢材に幾度も出会った。

 盆栽は最近若い人や女性の間に広がっているらしい。観葉植物や草花に苔をあしらい、形にこだわらない自由な盆栽で空間を楽しんでいる。

投稿者 愉悠舎 日時 2006年10月16日 (月) 丸太小屋の四季 | 個別ページ

ウバメガシにドングリの実が


 淡路地方でバベの木と呼ばれている姥目樫(ウバメガシ)が、ドングリの実をつけた。
 春に花を咲かせたウバメガシは秋にドングリを結実させた。
 この時期、枝にぶら下がる沢山のドングリを、回廊から目の高さに捉えることができる。

 愉悠舎の樹木の中で最も多く生えているのがウバメガシ。 常緑の中木なので 一年中緑をたたえ、愉悠舎を訪れる人の目を楽しませてくれる。成長の遅い木であるが、このところ葉の繁みが目立ち、視界を妨げる範囲が多くなった。冬が来る前に少し枝を払って、風通しを良くしてやろうと考えている。

 二年前の2004年10月20日、この地を襲った台風23号の時、ウバメガシは愉悠舎の衝立になってくれた。となりの洲本で風速46m/sを記録した。海に面した海抜145mのここは風速50m/sを軽く超えていたであろう。
 吹き上げてくる暴風をウバメガシたちが防いでくれた。雨風が木々を揺する音を、家の中に潜む私の耳をついた。暴風雨と闘っている木々たちに感謝した。
 その夜、大雨と暴風でウバメガシの途切れる先の斜面が崩壊した。

 ウバメガシは保水力の低い急斜面で、潮風を受けながらたくましく生育している。


投稿者 愉悠舎 日時 2006年10月30日 (月) 丸太小屋の四季 | 個別ページ

ヤマハゼ

 回廊前方を中にしてヤマハゼが紅く染まった。ヤマハゼは雌雄異株なので雄の木と雌の木に分かれている。
 神戸側に雌の木が、洲本側に雄の木が立っている。雌の木についている実は、雄の存在なくして成り得ないので、この二本の木を一対の夫婦としておこう。
 高さ5〜6mと比較的低木である。
 二つ並んで紀淡海峡を見ている。

 この他にもう一本ヤマハゼの木が在った。
 デッキから手の届く場所に在ったそれは、秋になると鮮やかな葉に変り、私たちの目を楽しませてくれていた。
 この夏、木と戯れているうちに手首のあたりが痒くなった。
 そのヤマハゼを昨日根元近くから切ってしまった。
 スッキリしたが、少し淋しくなった。

投稿者 愉悠舎 日時 2006年11月13日 (月) 丸太小屋の四季 | 個別ページ

最後の雄姿<ゴールドクレスト>


 愉悠舎の設立が1999年の秋である。設立まもなく近くのホームセンターでゴールドクレストの苗を3本買ってきて植えた。当時、クレストの背丈が20cm位で、値段は1本200円ほどだったと記憶している。

 その樹が4mほどに成長した。クレストは根が浅く、人間の背ほどに伸びると倒れる可能性がある。愉悠舎のある場所に吹く風は強く、台風の季節になるといつ倒れるかと気をもむ日々がここ二三年続いた。今年は珍しく台風もなくこのまゝ冬を迎えそうだ。

 先週、3本の樹を中ほどから斬った。上半分が円錐形のキリットした姿が消え、ズングリムックリの姿態に変貌してしまった。
 当分倒れる心配はないが、心のすき間に風が吹き込むようでどこか寂しい。

投稿者 愉悠舎 日時 2006年11月22日 (水) 丸太小屋の四季 | 個別ページ

忘れぬうちに

 隣家の工事をしていた造園会社のSさんに愉悠舎の敷地内に自生する樹木のうち、まだ名前の不明な、そのうちのいくつかを教えてもらった。
 忘れぬうちに写真を撮り名前を記して、ブログに書き留めておくことにした。
 名前の知らぬまゝに樹木を眺めるのと、知って眺めるのでは親しみも随分違ってくる。
 これらの樹が季節季節に届けてくれる便りを楽しむ喜びがひとつ増えた。

 

 

 

 

 

 

 




投稿者 愉悠舎 日時 2008年4月22日 (火) 丸太小屋の四季 | 個別ページ

ふんわりとした花

 先日、近所の造園会社のSさんに、わが舎に自生する樹木の名前を幾種類か教えてもらったが、そのとき分からなかった樹が一つあった。
 今日、その時一緒に来ていた同会社のOさんが不明だった樹の資料と、「木はたぶんマルバアオダモと思われます」とのメモをポストに入れておいてくれた。

 マルバアオダモは雌雄異株の落葉小高木で、高いもので15mにもなるらしい。
 この花の開花時期は4月から5月。
 遠くから見ると樹全体がふんわりとした雲に覆われているようにも見える。
 いかにも春の霞んだような雰囲気を漂わす花である。花は隔年に咲かすようだが今まで気がつかなかった。
 この樹は粘りがあるので、野球のバットによく使われるらしい。

 マルバアオダモ(モクセイ科)[丸葉青ダモ]。

 写真は今日(4月25日)撮影したものである。

投稿者 愉悠舎 日時 2008年4月25日 (金) 丸太小屋の四季 | 個別ページ


未開の地へ


 愉悠舎回廊下の左右に少しばかりの自然林が在る。
 回廊の海に向かって左側に階段を造った。造ったといってもまだ作業半ばであるが、頭に画いている幾条ものアプローチのうち、その一つが具現化した。
 自生している樹木の間をぬって、上から下へと一段一段突き進んだ。30度の斜面は見た目よりも急で迫力がある。
 未完成の階段を何度も上り下りしてみた。運動不足の解消にはほど遠いが、森林浴の真似事にはなる。

 当面の目標として、今造っている階段が完成すれば、階段の途中を右に曲がり少しトラバースして、その先にテラスを造ろうともくろんでいる。 夏、そこに虫たちがやってこなければ、テラスの上方に娘からプレゼントされたハンモックを吊ってやろうと企てている。ハンモックに揺られながら、午睡をむさぼるのも悪くない。


階段の材料
ホームセンターKOMERI
○花壇ブロック ドルセ ストレート オレンジ
単品重量・容量:約7.7kg
単品サイズ:約幅550×奥行50×高さ160mm
単品価格: 398円
○プラ境界杭 45×45×600mm(@248円)、45×45×450mm(@238円)

投稿者 愉悠舎 日時 2008年5月 1日 (木) 丸太小屋の四季 | 個別ページ


ハンギングシート


 小屋の梁に「ハンギングシート」を取り付けた。孫たちの遊び用具としてワイフが「IKEA」で買ってきた。実は先日、娘が神戸に来て「IKEA」」に買物に行った折、一緒についていったワイフが、丸太小屋にピッタリの遊具だと買って帰った。

 この水曜日からやってくる孫たちの格好の遊び道具に果たしてなるだろうか?

 何はともあれ、いつまでも安全に、そして快適に使って行くために、取扱の注意点を「IKEA」の製品情報からまとめておこう。

 ハンギングシートは揺れることで、バランス感覚と知覚が養われる。また、シートに座り、本を読んだり音楽を聴くことで気持ちが落ち着くらしい。座る部分にエアエレメントが内臓されており、空気を調節することにより、硬いベース、柔らかいベースを選択できる。

 デザイナーはJ Dranger/J Eliason/Jan Dranger、最大許容荷重は 100 kg、推奨年齢:3歳以上。
 取扱上の注意は手洗い(水温40℃以下のぬるま湯)。

ハンギングシート:
布地: ポリエステル 100%, ポリウレタン
ロープ/ エンドキャップ: ポリプロピレンプラスチック
フック/ リング: アセタール樹脂

エアエレメント:
エアタンク: ポリオレフィンプラスチック
キャップ: ポリプロピレンプラスチック

投稿者 愉悠舎 日時 2008年8月 3日 (日) 丸太小屋の四季 | 個別ページ

ハンモック


 愉悠舎を造ったとき、娘から貰ったハンモックをこの夏はじめて組み立てた。袋に入れたまゝ物入れにしまっていたので、取り出すまでどんなものか分からなかった。てっきり樹と樹の間に吊るす物とばかり思っていたが、そうではなかった。

 鉄製のパイプをつなぎ合わせそれをスタンドにし両端にハンモックを吊るすタイプである。先週、娘の家族がやってくるというので物入れから出して組み立てた。

 ハンモックは娘の子供たちと私の遊び相手になってくれた。

 スタンドが上下に揺れるのでバランス感覚のトレーニングになった。

 子供たちが帰ったあと、ハンモックは元の袋に収まって倉庫にしまった。ハンモックの短い夏は終った。

投稿者 愉悠舎 日時 2008年8月14日 (木) 丸太小屋の四季 | 個別ページ