通信状況のまゝならぬ日もありましたが、何とか最後までやり遂げることができました。
神戸を出航したのが6月10日、最初に投稿できたのが17日、一週間もの長い間通信衛星設備が使えませんでした。
整備途中かあるいはメンテナンスを怠ったものか、いづれにもしても出航早々のトラブル・・・。先が思いやられた日もありました。
神戸発神戸着、4万キロの旅は私にとってかけがえのない宝物です。
1/4Around the World Cruise (Real Time)
2007年6月17日 (日)
6月10日

劇的な出港式となった。土砂降りの雨、天を裂く雷鳴に人はしばし呆然、出港10分前、陽が差し青空がよみがえる。
午後5時、トパーズは静かにそしてゆっくりと神戸港ポートターミナルを離れる。
見送る人、見送られる人の歓声が響くなか、出航の汽笛が六甲の山なみに消える。隣の若い女性は目を潤ませながら手を振っている。妹が、同道できなかった友人が・・・、手を振ってくれている。 私はこみ上げてくるものを抑えながら、神戸の街なみに目を移した。
キャビンに入りあらかじめ送っておいた荷物を解く。
夕日が瀬戸の海に沈むころ、デッキにでる。淡路島の島影に落ちる夕日に旅の無事を祈った。
限りなく神戸から遠ざかって行くのに、一歩一歩確実に神戸へ近づいている、不思議な旅がはじまった。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月17日 (日) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ
6月11日 晴れ

午前10時ごろ、鹿児島県都井岬沖を通過中、神戸港乗船者に対し7階ブロードウェイにおいて船内生活オリエンテーションが開かれた。午後から避難訓練に参加する。午後4時過ぎ、種子島・屋久島が後方に退く。波穏やか、風弱し、コンテナー船が近くなり遠ざかる。
6時からブロードウェイで船長主催のウェルカムパーティ、その後トパーズダイニングルームでフォーマルディナー、久しぶりにネクタイを締めてでかける。ディナーのメニューは、・ Appetizer:温泉卵のコンソメジュレ掛け キャビア添え、鴨肉の燻製 サラダ仕立て
・Soup of The Day:ビーフコンソメ オルガ風 ・Main Course:オマール海老のポッシュ アメリケーヌソース 白ポルト酒風味 温野菜添え
・Bread ・Dessert & Beverage ガトーショコラ、そして白ワインにコーヒーだった。久しぶりの美味に少し感激する。
京都から来た老夫婦と同じテーブルになった。桂離宮の近くに住み自営業だったご主人は3回目、奥さんは2回目のピースボートとのこと、「金、暇、健康の三つがそろうてできる旅です、私たちはしあわせです」と言うご主人に奥さんがうなずく。なぜピースボートかを説く「気楽で肩が懲りまへん」、夫婦合わせて170歳、86歳と82歳の夫婦旅に乾杯!。
本船はトカラ列島を通過中、波しずか。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月17日 (日) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ
6月12日 梅雨前線の中を進む、夕刻前線を抜ける

朝から雨、波が高く寝起きに少し船酔いを覚える。
午後からウインジャマールにてピースボート地雷廃絶キャンペーン代表・中原大弐氏による「地雷の世紀から私たちは何を学んだのか」を聞く。
その中原氏の話によると、第58回クルーズの乗客は930名、このクルーズに申し込んだ人は二千人、問い合わせのあった人数はその十倍以上とのこと。日本で世界一周を行っている船は三隻で世界一周を経験した日本人は五千人、外国人は一万人。
梅雨前線を抜けたあとに大きな虹が東シナ海にかかった。
こよい、中国と台湾の間の台湾海峡を通過するはずが、海流の関係で太平洋側に廻る。
本日零時に一時間の時差調整あり、波しずまる。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月17日 (日) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ
6月13日 晴れ

神戸を出発してからずっとインターネット繋がらない。アンテナの故障らしい、現在部品を取り寄せ中だがダナンでの修復を期待するしかない。
朝、船首のデッキにでた。台湾の南端が少しずつ遠くなる。台湾は九州と同じ大きさの島である。
船の運行状況を見るために6階へ降りた。レセプション裏にある海図に添えられているデータを書きとめた。現在位置:北緯21度41分、東経121度8分、航行速度:16.9ノット、気温:31度、海水温度30度、風速:17ノット、波:0.9〜1.5m、気圧:1000ヘクトパスカルとあった。今からダナンに向けて一直線に南シナ海を船は進む。
7階を歩いていると壁に掛けている楯が目にとまった。神戸港は今年開港140周年を迎える、神戸港入港の際、神戸市からトパーズ号に送られたものだろう。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月17日 (日) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ
6月14日 晴れ

一日中南シナ海の真っ只中を進む。360度水平線しか見えない。
夕方9階のサンシャインバーへ行った。ここは午後5時から6時までハッピーアワー、いわゆるサービスタイムがあり、ビールが半額で呑める。キリンの生が単価350円のところを175円で呑ませてくれる、それにサービス料15%が加算される。ビール党の私には願ってもないひと時をここで過ごせる。ちなみに、アサヒスーパードライ350ミリリットル缶が140円で呑める。
ビールを呑みながら潮風に打たれる。
今日の日の入りは午後6時15分、水平線に日の落ちるのを見ようと雲の消えるのを待つも、6時ごろ急に雨が落ちてきた。サンシャインバーの階下8階のヨットクラブに集う人たちも屋内へ逃げ込んだ。
こよいは南十字星も見えそうにない。
夜、ダナン入港時間の変更の知らせが届く、過日台湾海峡に発生した低気圧によりコースを変更したためで、当初午前11時に着く予定が午後2時に変更された。「遅れ」ではなく「変更」である。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月18日 (月) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ
6月15日 晴れ

ダナン入港が夕刻になった。ベトナムの若者たちが出迎えてくれた。ダナンは北緯16度あたりか、バーチェットの「17度線の北」を思い出す。ベトナム戦争の頃、アメリカ軍はダナンを拠点とし、北への攻撃をエスカレートしていった。ダナンの北にはトンキン湾が広がる。解放後に生まれたダナンの若者たちに歓迎を受け感無量だ。
夕闇迫るころ、世界遺産のホイアン町なみツアーに出かける。ホイアンはダナンの南約30キロにあり、16〜18世紀にかけて東南アジアの貿易港として栄えた。また、15〜16世紀には日本人町があったとされている。現在のホイアンの町なみは18世紀以降のものであるが、ベトナムや中国の文化が交じり合った町なみは世界の人々を惹きつけている。
帰船が午後11時前になった。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月18日 (月) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ
2007年6月20日 (水)
6月16日〜

6月16日 晴れ
7時半に出発、目指すは世界遺産のミーソン遺跡へ、ミーソン遺跡群は昨日訪れたホイアンの南西約30kmにあり、4〜13世紀に建てられたチャンパ王国の聖地の跡である。
ベトナム戦争の時代遺跡の多くを米軍により破壊された。ミーソン遺跡は「ベトナムのアンコールワット」と呼ばれ、歴史的価値が高い。
暑い、とにかく暑い、頭がボーとして思考が鈍る。午前中にもかかわらず39.7度と、誰かが言う。
遺跡見学後ダナン市内にて昼食、その後チャム博物館を見学して帰船する。
17時、ダナンの若者たちに送られシンガポールに向けて出航する。
6月17日 晴れ
イベントや各種企画それに自主企画がスタートし船内は活況を呈してきた。どれに参加するか、選択肢が多くて迷う。 水先案内人・城戸一夫氏の「世界文明の第1歩としての世界遺産」とジャパングレイス・徳元博充氏による「トパーズの歴史」の話を聞く。世界遺産に対する考え方が変わる。また、トパーズ号への想いがより深まる。
正午現在の船の運行状況は以下の通りである。
現在位置:北緯11度56分、東経109度37分、航行速度:16ノット、水深:72m、気温:33度、海水温度32度 風速:8ノット、波:0.9〜0.9m、気圧:1005ヘクトパスカル。
はるかホーチミン市の沖を通過中。
6月18日
明日、19日はビルマ(ミャンマー)の「希望の星」アウン・サン・スーチー女史の誕生日(62歳)。軍事政権のもと今なお自宅軟禁を余儀なくされている彼女の誕生日を祝って、そして、彼女の民主化運動を支援するためにピースボートはシンガポール入港時、「ハッピーバースデー」の垂れ幕を掲げる。
6月19日 シンガポール入港
入港の様子を船首デッキより眺める。水先案内人が乗船し、荷待ちの貨物船でにぎわう船団を迂回し、ハーバー・フロント前の岸壁に接岸する。
入国審査に1時間以上かかる。
バスで市内観光に出かける。
クラーク・キーよりリバータクシークルーズの後、マーライオンパーク、アラブ街、チャイナタウンを散策する。
6月20日(水)
よく寝ていたので気がつかなかったが、大雨のため出航時間が40分ずれたらしい。午前3時前、インドのコーチンに向けてシンガポールのハーバー・フロント・センター港CC02を離岸する。
現在、朝の9時、空は薄い雲に覆われている。
シンガポールを出たトパーズ号は悪名高いマラッカ海峡を航行中、海賊も「ピース」ボートには近づけないだろう。
本日はリフレッシュデー、自主企画やイベントも休み皆さん心身の疲れを癒す一日にしましょう。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月20日 (水) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ
2007年6月23日 (土)
6月21日

6月21日(木)
正午、本船はマラッカ海峡を出て左に舵を取りインド洋に入った。ほぼ西へ一直線に進みセイロン島(スリランカ)の南端を目指して航行中である。波が少し高くなってきた。
リフレッシュ日も終わり船内に再び活気が戻ってきた。船内新聞「言ノ葉」のスケージュール表が埋りはじめた。乗客が立ち上げた自主企画を21日の新聞から書き添えられたコメントとともに紹介しよう。
「健康麻雀教室(夏原・満員御礼。前半、後半に分けることもあり。継続は力なり。)」、「フラメンコを踊ろう(Keiko・セビジャーナスを皆で楽しく踊りましょう。基礎練習もやります。)」、「社交ダンス(キミオ・社交ダンスを楽しく踊ろう。初めての方をお待ちしています。)」、「NGB<肉グッバイ!>(デブンティアスタッフ)」、「ぴんぽん広場(宮崎加代・ピンポン好き集まーれ。へたも上手も楽しく仲良しになりましょう。)」、「アート好き集まれ!(NAN・さくら・作った映像流します。誰でも気楽に観に来てね!!)」、「南京玉すだれ(はごろも・ゆりかご・南京玉すだれに興味のある方、お集まりください。)」、「親鸞アニメ鑑賞会(秋田善通・親鸞聖人のビデオ、アニメを見よう。最初は王舎城の悲劇から。)」、「エコに興味がある人集まれ(エミリー&藤間・エコチームを作ります。何かしたいと思っていた方、楽しくやっていきましょう。)」、「賛美歌を楽しむ会(はなちゃん・美しく歌いやすい賛美歌を一緒に楽しみませんか。)」、「<60年代ポップス>を歌う(ダンディー宮さん・60年代ポップスを歌って青春を謳歌しましょう。)」、「手作り教室(天野はごろも・懐かしのお手玉作りです。裁縫道具持参。)」、「百人一首カルタ広場(宮崎加代・平仮名が読める人はだ〜れでもとれま〜す。小学生に戻ってgo!)」、「船内TVチームミーティング(ゴーヤーマン・本格的にスタートします☆映像に興味があればOK!!待っています!!)」、「P−senミーティング(P−senチーム・ピースボートセンターのスタッフ募集中!)」、「PAチームミーティング(58回PAチーム・終ったらサクッと飲んで星でも見ますか!)」、「5つのパンと2匹の魚の会(ハナちゃん・一日のスタート。聖書を共に読みませんか。)」、「おひなさまを作る会(おひなさま・あなたのやさしさを作ってみませんか?)」、「能楽のお稽古講座(保坂・お謡ひの稽をしてみませんか。結婚・生誕・新築などで謡えますよ。)」、「尺八教室(ドウザン・曲を吹けるようになろう。貸出し楽器あります。小さな楽器も可!)」、「チアリーダー集まれ!(シホ・スポーツ初めての方も☆楽しく汗を流しませんか?動ける格好で。)」、「エイサー(グリーン・陽も落ちてきた夕方頃デッキでエイサー。最高でしょ。来てね!)」、「太極拳(比嘉・雨天の場合はブロードウェイで行います。)」、「ラジオ体操(佐野)」、「初級太極拳と練功十八法(すみちゃん・練功十八法『前段』は太極拳を始める前の予備運動であり基本動作。)」、「相生道『そうせいどう』(スピード・日本古来の武道で、護身術にもなります。武道初心者も大歓迎!!)」、「太鼓組(ブイブイ・ミソン・太陽の下で、楽しく元気に和太鼓たたきましょう。)」。
この先、どれだけの自主企画が立ち上がるのか予想もつかない。
今日私が参加したのは水先案内人によるインドの話、ピースボートの水先案内人とは旅をより楽しくするために寄港地上陸にあたって、私たちにいろいろな情報や知識を提供してくれる人のことである。
二つの話を聞いた。一つは「インド文化へようこそ!」と題して、ジョン・デバラジュ氏と中山実生(みおい)女史のはなし、若い二人はIT産業に踊るインド南部のバンガロールに「ボーン・フリー・アート・スクール」を設立し、幼くして労働に駆りだされ、逃げ出してきた子供たちに絵や演劇や写真などの芸術を通して教育の道を探っている。
もう一つは斉藤千宏氏の「NGO大国インド」、氏は若くしてアジアや南北問題に関心を抱き、現在はインドの良き理解者としてアジアの心・インドに深く関わっている。
前者は厳しいインドの現実を、後者はインドのプラスの側面を中心に話してくれた。
「インドには、牛の糞を拾ってきて、その中から消化されてないものを取り出して食べる子がいる」という話に息が詰まった。
電子メール及びブログにコメントを頂いている皆さまへ!
皆さまからのお便りは全て読ませていただいています。
しかしながら、返事をお送りすることが難しい状況です。
帰りましたら何らかのコンタクトを取らしていただきますのでご了承願います。
現在、通信衛星を使って送受信を行っていますので、ナローバンド状態です。それに、インターネット使用料が15分500円と高く、腰を落ちつけてパソコンの前に座っておれません。
返事のかなわないことをお詫びします。
投稿者 愉悠舎 日時 2007年6月23日 (土) Around the World Cruise (Real Time) | 個別ページ