クルーズ船で地球一周をしたときの様子をブログに掲載しました。
その準備の様子を過去ブログから転載したものです。
地球一周の船旅(準備編)
2007年1月21日(日)
夏がくる前に

いつの日か、神戸港から大海原を巡る地球一周の船旅に出たかった。
高度経済成長の時代、就職した会社が船を造っていた。配属先がタンカーに搭載するエンジンの設計だった。タービンの設計を20年ほどやらされて、他部門にとばされた。そこでタービンで働いたのと同じぐらいの年月を過ごし、2年前クビになった。職に就いてから会社をクビになるまでずっと神戸で過ごした。私にとってコウベと船は人生の同伴者だった。
私の旅のはじまりは神戸であった。旅の終りも神戸にしたかった。そして、ふたたびの旅のはじまりも・・・。
昨年の10月3日、旅行会社に費用を支払った。
2007年6月10日、連れ合いとその友人、それに私の3人で夏がくる前に神戸港をあとにする。
NGOのピースボート主催の「トパーズ号」で海を渡る。
この船を選んだ理由は費用が安い、普段着の船内生活が楽しめる、費用の違いはキャビン仕様のみでその他は全て平等である、乗船者の年齢幅が広い、タービン船である等によるが、その中でも費用の安さは大きな魅力であった。しかしながら、最終的に申し込んだキャビンは他のクルーズ船に比べてそんなに安いものにはならなかった。
連れ合いと友人はペアタイプの部屋を私はシングルの部屋を申し込んだ。
私が申し込んだシングルタイプのエコノミー(Ⅰ)は早期割引で240万円(通常270万円)、連れ合いが選んだペアタイプのステートは220万円(通常240万円)であった。他のクルーズ船との比較は、内容が違うので一概に言えないが、ミナトからミナトへ人間一人を運んで貰う費用と考えて、例えば神戸から出ているクルーズ船で「ぱしふぃっくびいなす」の場合、ペアタイプのステートCクラス(シャワー付・丸窓/15.3㎡)で250万円(2007年4月出航)支払えば地球を一周してくれる。
上記費用は基本料金で他に渡航手続諸費用、出入国税、ポートチャージ及びオプショナルツアー等の費用がかかる。
旅程は以下の通りである。
☆06/09・横浜→06/10・神戸→06/15・ダナン(ベトナム)→06/19・シンガポール
→06/25・コーチン(インド)→07/01・アデン(イエメン)→07/05・アカバ(ヨルダン)
→07/08・ポートサイド(エジプト) →07/11・ミコノス島(ギリシア)
→07/12・ビレウス(ギリシア) →07/14・カタニア(イタリア)
→07/20・ビルバオ (スペイン)→07/23・アムステルダム(オランダ)
→07/25・コペンハーゲン(デンマーク) →07/27・ベルゲン(ノルウェイ)
→07/31・ダブリン(アイルランド) →08/09・ニューヨーク(アメリカ)
→08/15・モンテゴベイ (ジャマイカ)→08/17・カルタヘナ (コロンビア)
→08/18・クリストバル (パナマ)→08/21・プンタレナス (コスタリカ)
→08/23・プエルトケツァル (グアテマラ)→09/02・バンクーバ (カナダ)
→09/08・スワード (アメリカ)→09/19・横浜→09/20・神戸
2007年1月30日 (火)
トパーズ号の船内
6月10日、神戸港から乗船するTopaz号の概要および船内の設備を「ピースボート」、「ジャパングレイス」より提供された資料をもとに記してみた。
3ヵ月半にわたりトパーズ号の1室が私の居住区となる。
トパーズ号(TSS THE TOPAZ)
★船籍/パナマ、★全長/195m、★全幅/27m、★喫水/9m、
★総トン数/31,500トン、★航海速度/最高21ノット、
★横揺れ防止装置/デニーブラウン・スタビライザー、★乗客定員/1,487人 、
★船級/ロイド船級協会(Lloyd’s Register)、
★TSS/タービン・スチーム・シップ
『地球一周の船旅をナビゲートする、客船トパーズは、英国で建造され、1960年代からヨーロッパと米国を結ぶ大西洋航路の花形として活躍してきた、由緒ある外交客船です。1994年には全面改装がおこなわれましたが、新しさの中にも随所に感じられる「客船らしさ」がなによりも魅力です。また、ピースボートの船旅では、「人と地球にやさしい船旅」をめざし、さまざまなプロジェクトが進行中。船内の中心部にだれもがくつろげるフリースペースを設置したり、繰り返し利用が可能なランドリーバッグを採用したりといった目に見える工夫から、無農薬でのコメ作りから始まる食事への配慮など、「国内の生活より半歩だけでも先をいこう」をあいことばに、アイディアを出し合いながら取り組んでいます。
いたずらに豪華さを競うことなく、だれにとっても居心地のいいシンプルな空間が、全ての人の「夢」を世界へ運ぶ。そんな新しいスタイルの船旅を目指して――。(ジャパングレイス ホームページより)』

・3階(コンサートデッキ)
エレベーター(1基、船尾側)
・4階(ボレロデッキ)
トパーズダイニング(メインレストラン、船尾側)、
エレベーター(2基、船尾側)
・5階(アレグロデッキ)
アイロン室(船首側)、美容室(船首側)、診療室(船尾側)、
エレベーター(1基、船首側)、(2基、船尾側)、
・6階(メインデッキ)(乗下船口)
コインランドリー(船首側)、レセプション(船首側)、
エレベーター(1基、船首側)、(2基、船尾側)、
・7階(アッパーデッキ)
ゲームエリア(船首側)、ウィンジャマールラウンジ(船首側)、
図書コーナー(中央)、フリースペース(あん・パるケ・アゴラ、中央)、
ヘミングウェイバー(中央)、売店(船尾側)、
ピースボートセンター(船尾側)、シアター(船尾側)、
ブロードウェイショーラウンジ(船尾)、
エレベーター(1基、船首側)、(2基、船尾側)、
・8階(ベランダデッキ)
T・CLUB、スポーツジム、スポーツデッキ(船首側)、
ヨットクラブ(居酒屋「波へい」、船尾)
・9階(プロムナードデッキ)
操舵室(船首側)、プール、ジャクジー、サンシャインバー(船尾側)
2007年2月 2日 (金)
そろそろ

ジャパングレイスからいくつかの資料が送られてきた。まずクレジットカードの勧誘だ。船内(バー・売店・診療室等)での支払いはクレジットカードを基本とするらしい。ジャパングレイス発行のカードへの誘いで、当カードのメリットを説き、カードが傷ついたり紛失したりしたときのために2枚持っておくべきだと力説しているが、食指が動くまでには至らない。
次に海外旅行傷害保険の誘いがあるが、私の持っているカードに海外旅行傷害保険が付帯しており、黙過しようとすると、「ご注意ください」の囲み文、「・・・旅行適用期間及び補償内容を各カード会社へ確認下さい。(カードによっては補償が受けられない場合がある)」とある。確かにカードには日本を出発してから3ヶ月間とあり、半月足らない。しかし、別に傷害保険に入っているのでよしとしよう。
乗船者説明会が2月から4月にかけ全国各地で開催される。大阪は2月21日と3月31日にハービスプラザ 4F イベントルーム(大阪駅桜橋口 徒歩5分 ホテルリッツカールトンとなり)で開かれるが、いまのところ出席する予定はない。
その他、雑費用の請求書が届いた。内訳は�ビザ取得代金合計(手数料、消費税込):32,700- �ポートチャージ:36,000- �チップ合計:49,400-
�米国アラスカ州クルーズ税(Head Tax):¥6,000-、計¥124,100-である。
上記費用のうちアラスカ州クルーズ税について次のように説明している「・・・アラスカ州のフィヨルド遊覧およびスワード港への寄港をいたしますが、昨年、米国アラスカ州におきまして、地球温暖化等の影響により衰退していく氷河の保全基金として、スワード港を使用いたしますクルーズ乗船客ひとりひとりにクルーズ税を課する州法が住民投票により承認され、本年2007年1月よりこの税金の徴収を実施することが正式に決定されました」とあり、地球温暖化の深刻さが伺える。
また、「乗船ガイドブック No.2」が送られてきているが後日内容の紹介をする。
2007年2月 3日 (土)
船内散歩

昨夜は冴えた月がみぞれまじりの雨をついて頭上にせまっていた。今朝、霜の下りた回廊の先の波面がこがね色に揺れていた。
ジャパングレイスから届けられた資料(乗船ガイドブックNo.2〜トパーズ号船内生活ガイドブック〜)をもとにトパーズ号の船内を歩いてみよう。
トパーズ号は9層(9階)から成る。デッキプランを見ると3階から上を画いているので1、2階の様子はわからない。多分1階に機関室、2回はクルーの部屋になっているのだろう。3階(コンサートデッキ)船尾側の一部が乗客の部屋で、そのほかの部分がブランクになっているところから、3階にも2階同様乗組員の部屋があると思う。
4階(ボレロデッキ)は乗客のキャビンとトパーズダイニングルーム(メインレストラン)がある。このレストランは船内にある二つのうちの一つで、時々開催されるフォーマルディナーの会場はここになる。朝食はビュッフェスタイル、昼食・夕食はコースメニューとなる。
5階(アレグロデッキ)はキャビンで占められており、船首側キャビンの合い間にアイロン室、美容室及びマッサージ室がある。船尾側に行くと診療室がある。診療室には日本人医師と看護師が乗船している。1回の診療の目安は5,000円から9,000円、歯の治療は行なわない。
6階(メインデッキ)はキャビンのほかに船首側にコインランドリー、ツアーデスク、レセプションの設備がある。レセプションは24時間オープンしているが夜は英語での対応になる。ここに貸金庫(利用料金1,000円)もあるが、現金等の保管はキャビンに備えつけの金庫(無料)でいい。FAX送信もここからできる。レセプションの近くにツアーデスクがあり、オプショナルツアーの申し込みはここで行なう。
7階(アッパーデッキ)には娯楽設備が目白押しである。船首側から説明すると、一部分キャビンになっている後ろ側にゲームエリア、セミナールーム、スポーツバー、インターネットデスクがかたまってある。ゲームエリアでは麻雀、囲碁・将棋等を楽しむことができる。インターネットデスクに6台のパソコンがあり有料(400円/15分?)で貸してくれる。通信衛星を使った無線ネットワーク接続なので天候や海域により不通になったり、繋がりにくいときがある。少し船尾側に行くとウィンジャマールラウンジがあるが、ここは船尾に設けられているブロードウェイショーラウンジとともにイベントスペースになる。中央付近に図書コーナーがあり、本の貸し出しも行なっている。図書コーナーから少し船尾側に行くとフリースペース(あん、バるケ、アゴラ)とヘミングウェイバーがある。船内にドリンクスペースが4つあり、いずれも酒類のほかコーヒー、ジュースなどもあり、ビールは260円からとなっている。さらに船尾へ進むと売店、ピ―スボートセンター、シアター、フォトショップと続き船尾のブロードウェイショーラウンジで終る。8階(ベランダデッキ)まで来た。前方船首側にスポーツジム、スポーツデッキがあり、後方船尾にヨットクラブがある。ヨットクラブは4階にあるトパーズダイニングルーム(メインレストラン)と並ぶ船内に二つあるレストランの一つで軽食のセルフサービスを行なっている。夜になると居酒屋「波へい」(有料)がオープンするし、うどんなどの軽食販売も行なわれる。最上階の9階(プロムナードデッキ)は船尾側にオープンエアースタイルのサンシャインバー、ジャグジーのあるプールがある。
船内を一通り廻ったので次はキャビンに入ろう。ベッドにシャワーまたはバス、トイレ、ロッカ、電話、テレビがあり、冷蔵庫、電気ポットや電熱器等の高熱を発する器具は火災の原因になるので備えておらず、持ち込みも禁止されている。ただし、ヘヤードライヤーの使用は許されている。電源は日本国内と同じ110V、プラグも日本と同じ平形タイプである。電話は内線のほか外線もかけられる。外線の料金は1分で480円ほどになる。
以上がトパーズ号のあらましである。この船内で乗客、乗組員合わせて1500名もの人が3ヵ月半寝食をともにするのである。これらの人々とどう折り合いをつけて暮らすかが、船旅の鍵をにぎることになるだろう。
2007年2月 5日 (月)
携行品

「何を船に持ち込むか」、船内での生活様態をどのようなものにするかによって生活用品も変わってくるが、旅行会社の(ジャパングレイス)から送られてきた「乗船ガイドブック N0.2」に掲載されている「持ち物チェックリスト」を一読してみる「なるほど」と思わせる物が多い。
それから、「使い捨ての製品はできるだけ持ち込まないように」とあるので、廃プラ類を持ち込んだ場合は、持ち帰るのが原則なのであろう。
以下に「持ち物チェックリスト」を掲載し、乗船前のチェックリストにしよう。
1.貴重品
□パスポート □クレジットカード(船内:VISA、マスター、JCB)
□現金(米ドル、ユーロー) □海外旅行傷害保険証
2.身につけるもの
□船内ウェア :船内は空調で25℃、普段着とフォーマルウェア
□寄港地ウェア:寒冷地あり □帽子:日差し、紫外線よけ
□靴:履き慣れた靴、サンダル、フォーマル用
□カバン:寄港地で持ち歩くデイバッグ、宿泊用ボストンバッグ、船内用バッグ
□スポーツウェア・用品:船内プール用水着
□雨具 □サングラス □スカーフ、ストール類 □浴衣
3.日用雑貨その他
□洗面用具:「生分解」する歯ブラシもある
□タオル類:備品のバス及びハンドタオルは客室から持ち出せない
□洗濯用品:手洗い用具類、小物干し、洗濯バサミ
□水筒 □コップ □箸 □名刺・住所録 □目覚まし時計 □爪切り・耳掻き
□裁縫道具 □ハンカチ・ティッシュペーパー・ウエットティッシュ
□ガムテープ:荷造り用 □ゴミ袋:船内では処理できないもの(塩化ビニール製品等)を持ち帰る袋
4.書籍と文房具
□筆記用具:ノート、ペン、クリップ、ファイル、マグネット
□世界地図・各国ガイドブック □各国辞書
5.やっぱり使いたい、こんなモノ
□電卓 □カメラ □ビデオカメラ □CD・MDプレイヤー □ノートパソコン
6.旅はまず「健康」
□常備薬 □日焼け止めクリーム □乾燥防止用:クリーム、マスク、リップクリーム、ハンドクリーム
□虫除け:サファリ、山歩き、キャンプなどでは必須
7.あると楽しい!ものたち
□趣味用品:双眼鏡 □家庭訪問用プレゼント □自主企画用準備もの
8.「こんなものはなくても」の声が
□本:「持ってこないでよかったのに」のナンバーワン
□飲食物:「持ってこなくていい」のが基本
9.持ち込みに注意が必要なもの
□携帯電話:海外で使える携帯電話の使用は企画ツアー中禁止、また洋上ではほとんど使えない
□自転車・電化製品:ペアタイプ・シングルタイプは「折り畳み自転車」持ち込み可、電化製品については相談
10.持ち込みが禁止されている物
□アルコール類の持ち込み禁止:船内のバー、ラウンジで用意
□危険物:持ち込み禁止
以上であるが、他に私個人として次のような物も持ち込もうと考えている。
□アイスボックス(発泡スチロール) □洗い桶 □髭剃り
2007年2月 5日 (月)
携行品

乗船ガイドブック No.1(ジャパングレイス)」に「寄港地気候情報」がある。旅の期間は6月10日〜9月20日で、身に着けるものは夏服で十分だ。ただし、スワード(アラスカ)は日本の初冬にあたる気温なので少し厚くしなければならないだろう。
以下に、「寄港地気候情報」を記す。
「(乗船ガイドブック No.1)より原文のまゝ転載する。ただし、国名のみ筆者が付記した。」
○ダナン(ヴェトナム)
年間を通して暑い国です。日中の気温は30度以上と暑いです。ダナンの位置する中部は訪問時乾季にあたりますが、スコールに遭うこともありますので、雨具をご準備ください。
○シンガポール
1年中高温多湿の熱帯モンスーン気候。半袖で十分ですが、レストラン・ショッピングセンターなど屋内は冷房がかなりきいていて肌寒いこともあるので、上着をご準備ください。
○コーチン(インド)
訪問時は雨期にあたります。スコールが降ることが多いので、雨具をお持ちいただくとよいでしょう。気温は30度前後で湿度が高いです。また、寺院などの訪問時は肌を露出する服装はお避けください。
○アデン(イエメン)
年間を通して、高温で乾燥しています。雨はほとんど降りません。夏にあたるこの時期は日中の最高気温が40度近くにあがることもあります。帽子やサングラスなどをお持ちになることをおすすめします。
○アカバ(ヨルダン)
日中の気温も40度近くまで上がり日差しが強く乾燥しています。朝晩は気温がさがり肌寒く感じることもあるので薄手の上着をご準備ください。
○ポートサイド(エジプト)
日中の気温は30度前後と暑いです。また、ピラミッド地域は砂漠気候のため日差しが強く乾燥しています。日中の気温が40度になることもあります。イスラム教関連施設に立ち入るときは、肌の露出する服装はお避けください。
○ミコノス/ピレウス(ギリシア)
地中海気候に属し、訪問のベストシーズンにあたります。最高気温は30度前後でかなり暑くなりますが、乾燥していてすごしやすい時期です。
○カタニア(イタリア)
ピレウス同様地中海気候に属します。暑く乾燥していますので、帽子やサングラスをお持ちになり、日よけ対策をされるとよいでしょう。
○ビルバオ(スペイン)
最高気温も25度前後で、乾燥してとてもすごしやすいです。朝夕は気温が下がるため、薄手の長袖をお持ちになるとよいでしょう。
○アムステルダム(オランダ)
最高気温も25度前後、湿度も高くなくすごしやすいです。
○コペンハーゲン(デンマーク)
訪問時は、夏にあたりますが、最高気温が25度前後、最低温度は15度前後とすごしやすい季節です。
○ベルゲン(ノルウェイ)
晴天が続くことが多い時期。最高気温25度前後で、湿度も低いのですごしやすいです。ただし、雨などお天気が崩れる日は気温が下がり寒く感じることもあり、上着が必要なこともあります。
○ダブリン(アイルランド)
最高気温25度前後とすごしやすい時期、湿度も高くなくすごしやすいです。
○ニューヨーク(アメリカ)
最高温度は28度くらいです。湿度が高いので、暑く感じることがあるでしょう。
○モンテゴベイ(ジャマイカ)
日中は日差しが大変強く暑いです。日よけ対策、日焼け対策に帽子やサングラス日焼け止めクリームなどのご準備を忘れずにお持ちください。
○カルタヘナ(コロンビア)
年間を通して暑い熱帯気候。訪問時の気温は30度近くまであがりますが、湿度はそれほど高くなくすごしやすいです。スコールが多い時期なので雨具をご準備ください。
○クリストバル(パナマ)
赤道に近いため一年中高温多湿の亜熱帯気候に属します。気温は30度前後と高くなる時期です。
○ブンタレナス(コスタリカ)
寄港時は雨季にあたりますので、雨具をお持ちください。気温は30度前後と高く、湿度も高いです。また、訪問場所によっては厚手の上着が必要となるくらい朝晩が冷え込む場所もあります。
○プエルトケツァル(グアテマラ)
雨季にあたり、午後スコールが降ることが多いです。気温は高く高温多湿。
○バンクーバー(カナダ)
日中の気温は24度前後。湿度も低くすごしやすいです。朝夕は気温がさがるので、羽織るものをお持ちください。
○スワード(アメリカ、アラスカ州)
最高気温15度前後、最低気温は7度前後と冷え込みます。厚手の上着をお持ちください。
2007年4月 7日 (土)
出航へ向けて

あと2ヶ月もすると神戸港から地球一周を巡る船旅にでる。
思えば、昨年の7月クルーズ船「トパーズ号」の見学会に参加したのがきっかけとなり、地球を一周する幸運に恵まれた。
幼い頃、四国山脈を背にしながら、瀬戸内海の向こうにある本州の地に憧れた。いつの日か高松から宇高連絡船に乗って瀬戸のうち海を越えたいと願った少年は、その後いく度か瀬戸内海を渡った。 青年になった少年は、外国船の行き交う横浜と神戸に憧れた。そして、働き場所を神戸に求めた。
野分の風が日本の港を吹きぬける頃、地球一周の船旅を終える。旅の終りは横浜と神戸である。
旅行会社からオプショナルツアーの申込書が送られてきた。一箇所の寄港地で相当数のツアーが企画されており、どれを選ぶか迷う、迷っていても決まらないので、とりあえずエイヤア、という感じで申込書を作成した。
なんとなく身辺にあわただしさが漂ってきた。
あと2ヶ月、スタンバイに向けて舵をきった。
2007年4月16日 (月)
アッパーデッキと呼ばれる7階

「第58回クルーズ出航まであと54 日です 」4月16日のピースボート・ホームページに次回出航までの日にちが記されている。
その日は、何ごともなくボーディングブリッジを淡々と渡り船内に消えたい。
私の乗るトパーズ号は1956年にイギリスのグラスゴーで建造され、リバプール〜モントリオール間に就航した「Empress of Britain」にはじまる。その後幾多の変遷を経て、2003年にピースボートがチャーターし現在に至っている。
トパーズ号は近年建造されているクルーズ船に比べて、クラシカルな思想を踏襲しており、船の原型ともいえるスタイルを残している。21世紀まで生き延びた古き良き名船である。
マイキャビンは7階になる予定である。
同じ7階にあるパブリックスペースのうち、いくつかを探索してみよう。
ブロードウェイショーラウンジが船尾に位置している。船首近くにあるマイキャビンからは150mほど離れている。船内でもっとも広いパブリックスペースで、コンサートや映画などのイベントが開かれる。
シアターはときどき上映されるが、スクリーンの大きさは150インチ程度で、スクリーンの前に舞台があり、その後ろから観ないといけないので、快適な映画鑑賞というわけにはいかないかもしれない。
ブロードウェイショーラウンジとマイキャビンの中間にウィンジャマールラウンジがある。ワークショップやトークショーなどに利用されている。
ウィンジャマールラウンジの後ろにひかえるのが「あごら」、「あん」、「パるケ」と呼ばれている3箇所のフリースペース、もともとここはカジノがあった場所でピースボート風にリフォームしたらしい。自主企画や寄港地プログラムの打ち合わせなどに使用されている。
7階の両サイドには長いベランダがあり、それぞれが思い思いのひと時をここで過ごす。
2007年4月19日 (木)
COVER STORY

新聞紙ほどの大きさを二つに折った「旅」のマガジンが今まで4回送られてきた。)(発行:�ジャパングレイス、編集:ピースボート
マガジンのカバーを並べて写真に撮った。表紙を飾る写真の物語が「COVER STORY」と題して掲載されている。
左端;
エーゲ海に浮かぶ白い宝石とも呼ばれるミコノス島。”青い海”と”白い街並み”という目の覚めるような美しいコントラストは、エーゲ海の代表的な風景。白い壁に囲まれた、迷路のように入り組んだ細い路地に、色あざやかなブーゲンビリアが咲きみだれるーーぶらりと歩けば、心地よい風にふれることができる。
左から二番目
深いジャングルに点在するマヤ文明最大の都市遺跡「ティカル」。ティカルには紀元前から人々が住みはじめ、現存するこれらの遺跡は8世紀頃に建造されたといわれている。9世紀に急激な衰退を迎え人々がこつ然と姿を消してから、1696年スペイン人宣教師らが偶然その存在を知るまで、ティカルは密林の中で長きにわたって時の流れから取り残されていた。
左から三番目
トパーズ号の進行方向、左舷側には灌漑工事が発達し緑あふれるアフリカ大陸、右舷側には荒涼としたシナイ半島の砂漠が広がっている。運河の中ごろ、左舷側に見えてくるのは、その長い歴史を物語っているような、第一次世界大戦を記念する巨大なモニュメント。台座には「1914
DEFFENCE DV CANAL DE SVEZ 1918」と見てとれる。
右端
横浜港ーー2月下旬・快晴。寒空のもと、今まさに地球一周の船旅が出航を迎えようとしていた。見送る人たちとの別れを惜しみながらも、期待を胸に船に乗り込む人びとの表情は晴れやかだ。正午まであとわずか…あとは出航を告げる汽笛を待つばかり、写真は横浜大さん橋・国際客船ターミナルに停泊中のトパーズ号。
(全文そのまゝ掲載)
地球上には長い年月にわたって、そこに生きる人びとがいつくしみ育ててきた幾多の建造物や自然が異彩をはなっている。それらを訪ね歩くのも旅をする楽しみであるが、私の船旅の目的の一つは、大海原を木の葉のように浮かび揺れる船のデッキで、タービンの鼓動を聴きながら、波を蹴ったスクリューの白い航跡とあおい海、あおい空の真っ只中に心身をうずめ、まどろみのひとときをむさぼることである。
2007年4月22日 (日)
運河にフィヨルドに・・・

6月10日に神戸から旅立つ地球一周の旅は、ピースボートで北周りと呼ばれ、スエズ運河を通って地中海に入り、そこから大西洋に出てドーバー海峡を越え、北海に入りヨーロッパを北上する。ダブリンに立ち寄ったのち大西洋を横断しニューヨークに寄港する。
アメリカ東海岸に沿ってカリブ海に遊び、パナマ運河を抜け中央アメリカからアメリカ西海岸を北へ進みバンクーバーへ、カナダからアラスカのフィヨルド遊覧をして帰国の途に着く。
北半球を周る103日間の船旅をしのぎ易い夏に訪れる。中でも、夏の限られた時期しか行けないアラスカのフィヨルド・クルーズは、旅の最後を飾るにふさわしい迫力と神秘さに満ちたものになるだろう。
フィヨルドとは降った雪が永い年月を経て氷河になり、氷河は山の斜面を滑りながら地面を侵食しそこにできた入り江や海のことである。
北半球周りはスエズ運河(全長160キロ)とパナマ運河(全長80キロ)を通る。
世界最大の建造物スエズ運河、悠久のときを紡いで今も刻々と変貌を続けるフィヨルド、地球に棲む人間と自然が織りなす遺産の数々、それらの息づかいが遠くから聴こえてくる。
2007年6月 3日 (日)
まもなく出航

ほぼ準備が整った。先週の木曜日ダンボール8箱を神戸北郵便局の職員が取りに来た。いったん荷物は横浜の郵便局に留め置き、横浜港からジャパングレースの手によってトパーズ号船内へ持ち込まれ、各々のキャビンへ運んでくれる。
8箱は我々家族3人分の荷物である。この旅は当初、我々夫婦と連れ合いの友人の3人で地球を巡るはずであった。しかし、友人はこの3月、急に旅を断念せざるを得ない事情が発生した。
4月、友人の変わりに我が息子が同道することになった。
3人は旅そのものや人々との出会いを楽しむ他に、それぞれがテーマを持って神戸を発つ。連れ合いは「世界の花に触れる」旅に、息子はこの春まで通った「神戸動植物環境専門学校」の後輩たちへの「足跡」を残してくれ、との要請に応える宿題を負わされている。私はというと何もない、何もなければ格好がつかないので具体的でないが「観照」にしよう。
というわけで行ってきます。
あと今週中にやらねばならないことは、17歳の愛犬「ジュン」を四国の弟の家族に預けに行くことと、円を米ドルとユーロに替えることだ。
なにはともあれ、神戸港新港第4突堤ポートターミナルQ1のボーディング・ブリッジを無事渡れそうだ。
2007年6月 5日 (火)
旅の贈りもの

海を渡る旅、海球一周の鼻向けに八人の人から贈りものをもらった。次の一文を添えて・・・。
「H兄には街の観光用にショルダーバッグにしました。ポケットの多い旅仕様ということで、鍵も付いています。斜めがけショルダーにもなりますし、若者風にヒップバッグにもなります。ウエストポーチではなく、あくまでもヒップバッグなのでね。そこのところよろしく。C大姉の帽子はイメージを大切にして、優雅かつ実用的な選択です。南の方を周られるのでしっかり日除けとオードリーヘップバーン主演の「おしゃれ泥棒」の映画にでてきそうな優雅なものを選びました。船のデッキから飛ばさないように気をつけてください。多分もうお持ちだとは思いますが、3ヶ月の長旅ですのでいくつか持っていかれると気分も変わってよいかなと思いバッグと帽子にしました。」
「ヘマ」の多い私たちへのコメント(赤色)、心しておきます。「オードリーヘップバーンのイメージ」は私の読み違いでなければ嬉しいのですが・・・。
お心遣いありがとう、世界の風を帽子に乗せて、皆さんの想いをバッグに詰めて「波濤を越えて」ゆきます。
2007年6月 9日 (土)
横浜港、発つ

本日、6月9日(土)正午、横浜港大桟橋を発ったトパーズ号は南西に進路をとり一路神戸港を目指している。
明日、10日午後1時、神戸港新港第4突堤ポートターミナルQ1に接岸する。
午後3時より乗船を開始、午後5時離岸、大阪湾を南へ紀淡海峡を越え、外洋にでて103日間の地球一周の旅にでる。
明日の神戸の天候は曇りのち晴れ、北の風、波は0.5mを予想している。
穏やかな船出になりそうだ。
それでは皆さま行って帰ります。
BON VOYAGE!