ログハウス抄録1/2

ログハウス抄録1/2

・過去ログ倉庫から「ログハウス抄録」の再掲です。


回廊


回廊(歩廊及び望楼)
・サイズ;
*歩廊部:幅1m×長さ10.7m
*望楼部:幅2.5m×長さ3m
*手摺高:1.1m
・材質; ヒノキ
・回廊の位置; 海抜145m
・設立; 2003年5月
・施工; 原田鉄工㈱

投稿者 愉悠舎 日時 2006年1月14日 (土) ログハウス抄録 | 個別ページ

 


望楼の下


 一昨年の秋、台風23号がこの地を襲った。大雨が昼夜にわたり、今まで比較的雨量の少なかった淡路地方に大きな被害をもたらした。ここ海平の郷も各所で道路は寸断され土砂崩れにより5ヶ所ほど斜面が削り取られた。その1ヶ所が愉悠舎東南の斜面である。土砂は望楼下の基礎を巻くように斜面を滑っていった。幸いにも回廊及び望楼に損傷はなかった。

 その後、淡路地方は「激甚災害」の指定を受け、ここ望楼下もその恩恵に浴することになった。

 工事は昨年の夏実施された。費用は2/3を兵庫県、残り1/3の半分を淡路市が負担、つまり税金である。残り1/6は受益者負担となった。
 この斜面保護工事は法枠(のりわく)工といいコンクリートを吹付けている。コンクリートと地盤の間を長さ2.5mのロックボルトで結んでいる。黒く見える部分に植生基材の吹付を行っているので、いずれ植物が芽を出すはずである。なお、法枠の所有権は淡路市にある。

投稿者 愉悠舎 日時 2006年2月21日 (火) ログハウス抄録 | 個別ページ


薪ストーブ


 寒い冬の夜、薪ストーブに火を入れるのが楽しみだ。 普段はコタツと石油ストーブで寒さを凌いでいるが、来客があるときなど、建物内部全部を暖めなければならないので薪ストーブの世話になる。昨日、薪に火をつけた。
 一時間も経てば家全体が暖かくなる。空気は温度があがると上方に向かい、二階のロフトやドーマが汗ばむほど暖かくなる。

 薪のはじく音に母から聞いた子守唄を、「あか」くゆらめく炎の舞に、母の読む童話が聴こえる。

 


型式:ロイヤル688B 輻射式
生産国:(鋳型イギリス)中国
サイズ: W787×D508×H680mm
質量:125kg
暖房性能:11,000kcal
材質: 鋳鉄
煙突径:φ180mm
最大暖房面積:100m2

投稿者 愉悠舎 日時 2006年3月 4日 (土) ログハウス抄録 | 個別ページ

二枚看板


 或る大家の手をわずらわし、木製のなま材に墨を入れてもらったのは2001年の春であった。四国に住む私の弟の娘が習う習字の師匠の作品である。
 玄関の外に飾ろうとしたが風雨に晒されると劣化を早めるので、躊躇しているうちに5年が経ってしまった。今年になって外に出すことを諦め、玄関の内側に設置した。
 ようやく愉悠舎の顔が一つできた。




 内の顔ができたので、次は外の顔。
 玄関横の柱に設置すべく造ったのはステンレス製の表札である。札幌のメーカーに頼んだ。
 送られてきた作品を今日取り付けた。
 メリハリのある存在感に作者の心意気を感じる。いい作品を造ってもらったと満足している。

 材質はステンレスの板で表面はヘアーライン仕上げ、製法は文字をシルクスクリーン加工で印刷した後、加熱処理をしている。
 メーカーの説明によると「シルクスクリーン印刷は、昔のガリ版印刷に似た原理で、印刷のインクは屋外用を用い、熱処理で材料に焼き付けすることにより耐久性を高めている」とのこと。

<メーカー:山田製作所(札幌市東区本町2条)>

投稿者 愉悠舎 日時 2006年5月13日 (土) ログハウス抄録 | 個別ページ

仕口・ホゾ


 愉悠舎はログハウスと呼ばれている丸太小屋である。
 ログハウスの種類は大きく分けて三種類ある。丸太をそのまゝ生かして積み重ねて行くハンドカットログハウス、木を機械で四角やD型にカットして丸太組み工法で仕上げるマシンカットログハウスそして柱(ポスト)と梁(ビーム)で組み上げて行く日本古来の在来軸組工法に近いポスト(P)&ビーム(B)ログハウスがある。

 愉悠舎はP&Bログハウスで柱、梁、筋交いなどを組み立てて強度を確保し、小屋としての機能をつかさどっている。

 P&Bの場合、柱と梁などのつなぎ目に仕口という工法を採用している。
 仕口とは木と木を直角や斜めにつなぎ合わせることで、建物の強度を十分に保つ上でもっとも重要な部分である。
 愉悠舎は仕口の部分にボルトを使用し強度を補完しているが、昔からの仕口は釘や金物を一切使わず木と木をつないでいる。

 仕口は一方の木にホゾという突起を加工し、もう一方の側にホゾを差し込むホゾ穴を彫ってつなぎ合わせる。

投稿者 愉悠舎 日時 2007年4月12日 (木) ログハウス抄録 | 個別ページ


天窓


 愉悠舎に一箇所天窓が天井にはりついている。吹抜けの部分にあるので天窓から差し込む陽は1階床からドーマへ、時間の経過とともに陽だまりが移動する。
 垂直の壁に取り付いている窓の3倍の明るさが差すといわれる天窓は、夏になると天窓に付属の帆布のようなカーテンで陽を遮断する。
 天窓に網戸がついていないので夏開放すると虫が室内に飛び込んでくる。
 雨の日、天窓のガラスに吹き付ける雨音を聴くと郷愁にかられる。

■ ベルックス製 GGL設計仕様
規格番号:308(M08)
取付可能角度:15-85°
外枠外のり寸法 W×H(mm):780×1400
野地開口寸法 mm:800×1420
採光面積 m²:0.69
換気面積(開口部)m²:0.89
締め切り喚起時換気量(風速8.9/s時)m³/h:19
正味重量 GGL3026V kg:43



 

 


投稿者 愉悠舎 日時 2007年5月 2日 (水) ログハウス抄録 | 個別ページ

 

 

 


シーリングファン(Ceiling Fan)


 愉悠舎の室内、薪ストーブの煙突が突き抜けている天井部の横にシーリングファンを1器設置している。
 シーリングファンの役目は室内の空気をかき混ぜて、部屋の温度を均一化させるためにある。

 愉悠舎でシーリングファンが作動するのは冬季に限られている。それも薪ストーブを焚くときだけである。薪ストーブに火を入れるのは来客があったときで普段は使用しない。
 あまり活躍の場がないファンであるが、薪ストーブに欠かせない器具である。ファンがないと薪ストーブによって暖められた空気は天井部にこもってしまう。
 空気は温度の上昇とともに軽くなるので上へ上へと向かう、そこでファンを下方に向かうように回すことにより強制的に床部分にも空気がかよう。

 ファンは可逆式で、回転方向を反対にすることもできる。冷房時に冷気が足元にとどまらないように反対方向に回せば冷房効果を高めることもできるが、この部屋には冷房設備が無いので、夏場は休眠している。

 ちなみにシーリング「Ceiling」は「天井」の意味で、シーリングファンは天井扇風機とでも呼べばいいのだろうか。

投稿者 愉悠舎 日時 2007年11月13日 (火) ログハウス抄録 | 個別ページ


土工・基礎工


 1999年5月某日、地鎮祭を行った後工事開始、雑木林の中を少しお邪魔して、必要最小限の樹木を伐採した。整地に当たり阪神大震災の教訓から、盛土は一切行わず、切土に徹した。そのため敷地の半分以上が斜めに落ちている部分にかかる基礎部は、「ザックリ」と切り掘る羽目になり工事は難航した(写真の斜面部)。岩盤まで達した箇所もあったような気がした。

 基礎は布基礎を基本としているが、斜面は30度以上あり、 斜面に向かう基礎を安定さすために、途中から階段状にして安定角を保っている。

 家の前に残していた松ノ木は建築後すぐに枯れ、この郷に多くあった松ノ木は次々に枯れ、現在殆んど残っていない。



投稿者 愉悠舎 日時 2011年6月13日 (月) ログハウス抄録 | 個別ページ

 


「基礎工」補足


 前回ブログ「基礎」の記事中「斜面に向かう基礎を安定さすために、途中から階段状にして安定角を保っている。・・・」について、読者から「階段状」とはどんな基礎か?との質問があったので少し説明します。

 上から基礎を見ると、下の写真のような状態です。

 普通の布基礎ですが、右の写真で、例えば、A-A 部の断面を見ると、写真下図面のような形になっています。

 ここで布基礎の説明をチョットさせてもらいます。

 布基礎とはTの字を逆にしたような断面形状の鉄筋コンクリートが、切れることなく連続して繋がっている基礎のことです。鉄筋コンクリートを使った一般住宅用基礎にはこの他、全面に板状のコンクリートを打設したベタ基礎などがあります。阪神大震災以後、阪神地方では耐震性の向上にベタ基礎が多く採用されましたが、耐震性を上げるには、それよりも何よりも、基礎が乗っかる地面(地盤)をシッカリ強化しなければならないと、私は考えます。

 

 

 


 話を元に戻して、
 先ほど、A-A 部の断面を見ましたが、この断面の直角に交差する断面、D面からC面にいたる断面の形状は、右図のように漸次変化しています。

 外から見れば一見、何の変哲もない基礎ですが、地盤にベタっと張り付くように工夫されています。

記)GL;グランドレベルのことで地面の高さ、図面にあるGL(▽)は基準面、GL 0です。


投稿者 愉悠舎 日時 2011年6月21日 (火) ログハウス抄録 | 個別ページ

 


棟上げ


 1999年6月、集中豪雨による激しい雨が降る一日だった。
 雨の中、上棟式に出席するために私とワイフは早朝神戸を発った。
 その三日前、三重県の鳥羽から淡路島に来て準備をしていたログビルダーたちの手によって棟上げが行われた。降りしきる豪雨の中、ログビルダーたちは眦(まなじり)を決して、大きな木と雨に立ち向かっていた。
 柱・梁が組み立てられ、棟木を上げ終わった。上棟式は地鎮際の時も世話になった近くの安乎(あいが)八幡神社の宮司により執り行われたが、落ち着いて上棟式を行っているような状況ではなかった。そそくさと儀式を行い、お神酒はコミュニティセンターに駆け込み、みんなで呑んだ。

 強い雨風をもろともせず、上棟式までこぎつけたログビルダーたちの健闘に謝意を表するが、私が神戸を発つ時、「こんな雨や、上棟式は明日でもいいんとちゃう」と言ったにも関わらず、作業を強行した現場責任者の姿勢はいかがなものか?鳥羽から来た、なんにんものログビルダーたちの滞在費やクレーン車のレンタル料を惜しんでの行為としか思えない、事故でも起きてたらどなんすんや!

 ログビルダーの仕事はここまで、彼らはカナダから送られてきた材木を図面に基づき加工し、鳥羽にて仮組み・解体後、淡路島に搬送し本組みを行った。このログハウスは軸組在来工法を採用しているので、以後の工程は地元大工の棟梁が仕切った。

 ちなみに、使用した棟木はダグラスファー(米松)で太さが30cm、長さ12m、材木乾燥時の比重を0.55(気乾比重)として、一本の重さは470Kgになる。

投稿者 愉悠舎 日時 2011年9月26日 (月) ログハウス抄録 | 個別ページ