• うしろ姿のしぐれて行くかー種田山頭火ー

有馬の湯に浸る

コロナ禍で温泉行がなくなった。
この半年硫黄の匂いを嗅いでいない。
正確に言えば硫化水素の匂いだが、
この匂いは好きではないが、
嫌いでもない。
この間、常としていた「すずらんの湯」が廃業した。
徒歩圏内にあった温泉の消失は寂しい。
希望的観測だが、
整った温泉設備なので名を変え、かたちを変え、
そのうちの再開を待つ。
そこで同じ区内に在る有馬温泉へ。
有馬街道を車で三十分。
名にしおう有馬温泉は太閤が愛した湯。
「ねね」や「淀君」を伴い温泉詣に、
天下人として権勢を誇ったことであろう。

有馬温泉の旅籠はピンからキリまである。
安い宿は一泊一万円ほどで有馬温泉が楽しめる。
この日、ランチと入浴を目的として訪れたのは
比較的安価な「メープル有馬」。
それでも我々庶民には充分にして満足。
当温泉のコピーによれば、
「普段使いの別邸・・・」。
昼食を摂り、入浴後、ロビーでコーヒーを片手に一休み。
時間は午後3時を過ぎているのか、チェックインする人が続々。
中には登山服姿の人たちも。
六甲山には数多くの登山道があり、神戸市街から登り、
有馬温泉に下りて来るルートも多々ある。

帰路、車で温泉街を通り抜けた。
いつもの賑わいとまでは行かないが、
観光バスも行き交い。
かなりの賑わいを見せている。
土曜日の昼下がり。

見慣れた風景が何故か懐かしい、今日この頃。