• うしろ姿のしぐれて行くかー種田山頭火ー

北アルプス・遠見尾根

  • 2021年12月21日
北アルプス五竜岳&鹿島槍ヶ岳

断捨離を進めているが、写真のたぐいはあと少し。
アルバムとして残っているのが山行の記録写真が少し。
その中で五竜岳・鹿島槍ヶ岳への山行写真を投稿する。
私の記憶に依ると昭和40年の半ば近く、神戸市兵庫区松本通り「オリバートンカツソース」の工場内にFRCと言うロッククライミングクラブがあった。
私の山行はロッククライミングから入った。
其処にお世話になっていた頃の写真が在った。
その頃、ゴールデンウィークを利用して北アルプスへの山行が岳人の恒例行事だった。
当時、春山は雪崩に依る遭難が絶えなかった。
私が働いていた工場でも会社の山岳部の同人が遭難し右往左往した日もあった。
話しは外れるが、山岳クラブ入部に関して「会社の山岳部」は眼中に無かった。
結婚するときも「会社の社宅」は嫌だった。
後年、母の姉妹で最後に残った叔母に私の子ども時代の印象を聞いたときがあった。
「変わり者だった」。
そうだったか、妙に納得したのを覚えている。
私は生来の「偏屈者」、「天の邪鬼」なのか?
私は今でもそうは思わない。
そんな私が大企業で、それも定年までよくぞ勤め上げたものだ。
話しを元に戻そう。
春山の山行で記憶に残るのは雪崩に対する用心。
陽が射している日中はアタックを避け、早朝暗いうちにベースキャンプを出発し陽が昇りきる頃までには雪崩の起きない場所に達しておく。
そこにテントを設営し各所への前進基地とする。
山行途上で気を付けなければならないのは、雪崩を誘発する行為。
大声を発してはいけない、またピッケルやアイゼンさばきは上記の理由で静かに慎重に。
夜、寝ていると近くでバリバリという音に交じって轟音が響く。
朝、テントの外に出ると大木が倒れ、雪崩の跡に出会う。
そんな日があった。
加藤文太郎 著「単独行」、井上靖著「氷壁」等、愛読した日もあった