砥峰高原(とのみね)に拡がる90ヘクタールのススキの草原。白く波打つ穂先が陽に照り返る。日頃観るススキに心寄せる事なく見過ごしてはきたが、一面に拡がるススキ野の中を歩くとススキの穂先が背なを打つ、冬にそなえる侘しい心に。 ...
1949(昭和24)年、GHQ占領政策の食糧統制が順次廃止。 廃止される前、配給券を握りしめ近所の配給所に黒パン(ライ麦パン?)を受け取りに通った日々が記憶の始まりだった。 ずっと、記憶の中のパンは黒いままだった。 今、黒いパンはほんのり焦げた、たおやかな薄茶色に変わった。 「黒」から「薄茶色」への旅路を今ふたたび・・・。