市場原理主義に基づく弱肉強食の「新自由主義」を批判・告発し、その姿勢を生涯変えなかった経済評論家の内橋克人氏がこの1日鎌倉市の病院で亡くなった。
氏はいつも利益第一の生産条件優先から人を大事にする生存条件を優先させる「共生経済」を提唱した。
掃いて捨てるほどいる経済評論家の中で信用できる数少ない一人であった。
近年、安倍内閣のマスコミ支配強化により、氏の姿や声を見聞きする機会がめっきり減った。
氏は一年前、コロナ後の社会を「新自由主義」から脱した新しい社会を提唱していた。
それは「FEC(食糧・エネルギー・ケア)自給圏」を、真に社会の基盤にした経済体制の構築だと。
氏の説得力のある穏やかな口調が思い出される。合掌
兵庫県神戸市生まれ。兵庫県立星陵高等学校、神戸商科大学(現・兵庫県立大学)商経学部卒業。神戸新聞記者を経て、1967年よりフリーとなる。
日本の高度経済成長を支えた現場の技術者たちを活写した『匠の時代』で脚光を浴び、一方で『「技術一流国」ニッポンの神話』において技術立国で向かうところ敵なしと言われていた日本経済が大量生産・大量消費を前提とした量産効果に依存しているという弱点を抱えていることを指摘、主流の技術評論家や経済評論家の楽観論を批判した。
また、バブル崩壊後もよく唱えられている「改革」が剥き出しの市場原理主義に則っていて社会的費用を弱者に転嫁しかねないと指摘、アメリカ流の聖域なき構造改革に厳しく警鐘を鳴らし、その対抗思潮をいち早く展開した。(ウイキペディア【最終更新 2021年09月23日】)