1933年(昭和8年)生まれ、 72歳の男が2005年を上野駅公園口で迎えた。そこで見たものを男の在りし日に遡行させながら、戦後から高度経済成長期を経て低成長期の今の「負」に言及している。福島の相馬出身の男は1963年、 ...
1949(昭和24)年、GHQ占領政策の食糧統制が順次廃止。 廃止される前、配給券を握りしめ近所の配給所に黒パン(ライ麦パン?)を受け取りに通った日々が記憶の始まりだった。 ずっと、記憶の中のパンは黒いままだった。 今、黒いパンはほんのり焦げた、たおやかな薄茶色に変わった。 「黒」から「薄茶色」への旅路を今ふたたび・・・。