朝、デッキで山桜を捉える。昨日に続いて今日も黄砂。黄砂の空間は昔見たスモッグに覆われた空に似て鬱陶しい。 山桜 霞の間より ほのかにも 見てし人こそ 恋しかりけれ 紀貫之
1949(昭和24)年、GHQ占領政策の食糧統制が順次廃止。 廃止される前、配給券を握りしめ近所の配給所に黒パン(ライ麦パン?)を受け取りに通った日々が記憶の始まりだった。 ずっと、記憶の中のパンは黒いままだった。 今、黒いパンはほんのり焦げた、たおやかな薄茶色に変わった。 「黒」から「薄茶色」への旅路を今ふたたび・・・。