長野県の上田市にある「無言館」の一部が神戸にやって来た。
この日は美術館へ。
久しぶりに電車に乗った。
湊川から地下鉄で三宮まで行く。
久しぶりの三宮。
地下鉄三宮からJR三宮まで地下街を歩く。
人波とまでいかないが、かなりの人が歩いている。
六甲ライナーに乗り、アイランドセンター駅で降りる。
神戸ファッション美術館へ。
展示されている絵画のほとんどは東京美術学校(現東京芸術大学)の学生もしくは卒業生。
「志」半ばで逝った若者たちの無念が胸を打つ。
芸術は戦争に役立たない、と文系学生を学徒動員していった為政者を恨む。
「絵」を観ながら神宮外苑の出陣学徒壮行会の映像を思い起こす。
私が生まれる一年前、1943年(昭和18年)秋、男子学生2万5千人、彼らを拍手で見送る女学生6万5千人。
雨の中軍靴を響かせ行進する学徒、スタンドから見送る女学生、なんと惨いことよ!
雨の神宮外苑にこだまする軍靴は女学生の拍手で消され、学徒の涙に沈んだ。
戦局の悪化は徴兵猶予の未来ある学徒たちを戦地に追いやった。
絵筆に未来を託した若者たちの無言の声を、私たちは胸に刻み生きて来ただろうか。
彼らの遺志に報い得ただろうか、私たちは・・・。
「本展は今年(2020)が戦後75年の節目となるため、同館の普段陳列されていない約130点の絵画・彫刻を、「望郷」「家族」「自我」「恋」「夢」の5章で構成して紹介します。
神戸市出身の桑田一彦、杉原基司、前田美千雄、芦屋市出身の岡田弘文、大阪市出身の田中角治郎にとっては、里帰り展示となります。(神戸市ホームページより)」
無言館 第二次世界大戦で没した画学生の慰霊を掲げて作られた美術館で、美術館「信濃デッサン館」(現・KAITA EPITAPH 残照館)の分館として1997年に開館した。館主は窪島誠一郎。自らも出征経験を持つ画家の野見山暁治とともに全国を回って、戦没画学生の遺族を訪問して遺作を蒐集した。((Wikipedia最終更新 2020年8月18日)