ナチ占領下の忌まわしい出来事を戦後も引きずりながらその日を生きる島民の哀歓を叙情豊かに謳いあげている。戦後、固く閉ざした島民の心を一つ一つ開けてゆく作家と事件に関わった人々の交流を通して、つつましく生きる幸せと喜びをイギ ...
1949(昭和24)年、GHQ占領政策の食糧統制が順次廃止。 廃止される前、配給券を握りしめ近所の配給所に黒パン(ライ麦パン?)を受け取りに通った日々が記憶の始まりだった。 ずっと、記憶の中のパンは黒いままだった。 今、黒いパンはほんのり焦げた、たおやかな薄茶色に変わった。 「黒」から「薄茶色」への旅路を今ふたたび・・・。