但馬の寺と野に咲く九輪草
兵庫県は広くて深い。
豊饒な大地に海。
かつて、世界に冠たる神戸港に高度経済を支えた阪神工業地帯、日本が世界に誇る姫路城・・・。
北に日本海、南に太平洋を控え日本列島を東西に引き裂いている。
もともと兵庫は廃藩置県の統合によって三つの県に分かれるべきだった。
それが維新政府の都合により現在に近い兵庫県が誕生した。
兵庫北部は神戸港の後背地とするため、南部の淡路島は庚午事変(こうごじへん)後兵庫県に編入された。
庚午事変(こうごじへん )
明治3年(1870年)に当時の徳島藩淡路洲本城下で洲本在住の蜂須賀家臣の武士が、筆頭家老稲田邦植の別邸や学問所などを襲った事件。稲田騒動(いなだそうどう)とも呼ばれる。
結果的に淡路島の帰属をめぐる重要な事件となり、この事件のおかげで淡路島は再び徳島県から離れ、兵庫県に編入された。 ( Wikipedia 最終更新日 2019.03.27)
青森から山口まで列島を陸路で縦断する場合、どうしても通らなければならない県が一つだけある、兵庫県。
雄県兵庫は高度経済が隆盛を極めるまで「日本の縮図」と言われた。
戦前日本最大の阪神工業地帯の中心地として栄え、貧富が入り混じる農村・漁村県として「日本の縮図」は時代を背負って生き継いで来た。
今回兵庫県北部、但馬の寺を少し巡ってきた。
24日朝、神鍋のブルーリッジホテルを出てまず向かったのが隆国寺。
隆国寺(りゅうこくじ)
隆国寺(りゅうこくじ)は、兵庫県豊岡市日高町荒川にある曹洞宗の寺院である。関西花の寺二十五カ所6番、近畿楽寺寿観音三十三カ所霊場第4番、宝の寺七福神但馬布袋霊場である。牡丹の寺として知られている。境内では牡丹の他に、椿、山あじさい、沙羅などの花木がみられる。(
Wikipedia 最終更新日 2018.03.12)

どこの寺にも梵鐘がある。
此処の梵鐘は時間ごとにオートでスイッチが入り勝手に鐘が鳴る。
仏の世界も人手不足なのか?
右の画像が隆国寺の梵鐘。
時間が来るとスイッチが入り支点から先の腕が下にさがり、撞木(しゅもく)を矢印方向に突き動かし撞木がある程度移動すると腕が撞木から離れ、バネの力で腕が画像の位置にもどると共に撞木も元の方向に帰り鐘を打つ。

隆国寺を出て豊岡駅近くのツツジの寺・妙楽寺に寄った。花は見ごろを過ぎ、むせる夏の装いに足早に通り越す。
この日の豊岡は暑い、まだ五月なのに30度を超えている。
妙見山日光院(三重塔の画像クリック)
最後にお邪魔したのが妙見信仰の総本山・妙見山日光院。
此処の見所は国の重要文化財の三重の塔。
境内をあちこち歩いたが見当たらない。
掃除をしていた住職に三重の塔のあり場所を訊ねる。
三重塔は色々あって現在妙見山の奥深くにあるとのこと、ここから8km先とのこと。
ここまで来たからには行かねばなるまい。
意を決して細い山道を車に委ねる。
やっとの思いで名草神社の碑の前に到着。
妙見山日光院が何故名草神社に?その答は次のパンフレットに。

その前に地元の方に名草神社前に群生する九輪草の存在を教えてもらったので行った。
清楚で可憐な花はいまが盛りだ。素晴らしいものを見た!
九輪草
北海道、本州、四国の山間地の比較的湿潤な場所に生育し、せせらぎや渓谷の湿地などに時に群生する。高さ30-90cmほどになり、日本に自生するサクラソウ科の植物のなかでは最も大型である。10-20cmほどの鋸歯を持つ葉のロゼットを作り、花季となる4-6月にその中心から花茎が伸びるの。花は花茎を中心に円状につき、それが数段に重なる姿が仏閣の屋根にある「九輪」に似ていることから名前の由来となっている。花の色は濃い紅紫色(径2-2.5cm)が普通だが、ときにピンクや白、絞り咲きなどの変種も見られる。(( Wikipedia 最終更新日 2019.04.21)
(下の画像フォトモーション・スライドショー)